国務院の温家宝総理は22日、ロシアを公式訪問した。訪問中、両国は経済・貿易協力事業などについて意見を交換する。「国際金融報」が伝えた。
外交部の程国平部長補佐は18日の記者会見で、温総理は今回のロシア訪問で経済・貿易、エネルギー、ハイテク、金融、農業、地方など重点分野における意見をロシア側と交わし、「第15回中ロ首脳定例会談連合公報」をはじめ、政府間、部門間など一連の協力文書に調印することを明らかにした。
世界の重要な二大新興国、中国とロシアの経済・貿易分野における協力は金融危機の最中に始まった。商務部の統計によると、今年10月の時点で中ロ貿易額は前年同期比43.4%増の451億ドルに達し、このペースでいくと年間貿易額は500億ドルを上回る見通しだ。
在ロシア中国商業連合会の蔡桂茹会長によると、中ロ間の経済・貿易協力は主にエネルギーなどの重工業分野に集中している。また、ロシアでは中国製の日用品に対する需要が非常に高く、今後中ロ貿易は益々伸びていくと予想される。
「中ロは隣り合う大国同士で、数百キロにわたって国境を接し、国境沿いに15億人が暮らしている。ところが09年の貿易額はわずか388億ドルにすぎなかった」と蔡会長は紹介。
商務部によれば、中ロの相互投資は30億ドルを上回るが、主にエネルギー、原子力エネルギー、航空、宇宙開発、科学技術、運輸、通信などの分野に集中しており、民間投資はさほど盛んではない。
在ロシア中国大使館の凌激・経済商務担当参事官は「中ロの経済・貿易は今規模の拡大から構造調整に転換する重要な時期にある。両国は貿易の規模拡大だけでなく、投資や経済・技術協力にも注目し、大きなプロジェクトやクオリティの高い中小プロジェクトを通じて協力構造や成長パターンの改善を図る必要がある」と指摘する。
▽拡大するエネルギー協力
中ロの経済・貿易協力といえば今のところエネルギー協力が大半を占めている。国家エネルギー局国際協力司の顧駿副司長は18日の記者会見で、「中ロのエネルギー分野における協力は原油、天然ガス、電力、石炭、原子力エネルギー、再生可能エネルギーなどにおよび、協力の仕方も貿易から資源探査・開発、パイプラインの建設、事業請負、合弁協力へと広がっている」と話した。
温総理のロシア側との会談では、中ロのエネルギー事業協力の深化と推進が重要議題のひとつになるだろう。また、ハイテク技術の分野でも協力が必要とされている。欧州ではロシアからのエネルギー供給が減る一方、アジアでは需要が伸びている。このためロシアはアジアへの影響力拡大を図る政策を打ち出し、ロシアのエネルギーがアジアに供給される「窓口」としての役割を中国に期待している。
「人民網日本語版」2010年11月22日