先般、南の広州へ行く機会があったが、空港から市内に向かうタクシーの運ちゃんが「広州市の当局者の中には、広州を東アジアのデトロイトに築き上げる構想を練っている人もいる」という話をしていた。日系を含めて、いろいろな自動車メーカーが広州にあるのだから、夢ではないだろうが、中国に二つも、三つもデトロイトのような自動車産業の集積地ができることは、経済発展の見地からはすばらしいことかもしれないが、石油資源、低炭素社会、アメニティの社会という見地から見たらどうなるのか。
アメリカを発祥地とするモータリゼーションは必然の勢いとして発展途上国にも波及している。そして、利便性という面では確かに大いにメリットがある。しかし、そのマイナス面をいかに減らしていくか、ということも考えていかなければならなくなったような気がする。
しかし、13億の民をまとめて近代化の道をばく進している中国にとって、究極のところ、この課題はそれほど難しいものではない、と思っている。それ以上の課題を解決してここまで来たのだから、たかが数百万台のクルマのこと、なんとかなるにちがいない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月17日