中国経済は急成長を続け、中国がいつ米国を超えて世界最大の経済国になるかについてさまざまな予測が出されている。イギリスの経済誌『エコノミスト』はこのほど、中国が2019年に世界最大の経済国になる可能性があると予想した。
『エコノミスト』は、中国と米国がそれぞれ過去10年の年平均GDP成長率(中国が10.5%、米国が1.7%)を維持し、その他の条件が変わらなければ、中国のGDPは2022年に米国を超えるとしている。
しかし、過去のことで将来を推し量ることは、正確だとは言えない。1980年代中ごろ、日本は世界最大の経済国になると世界的に見られていたが、結局のところ予想ははずれた。ましてや、労働適齢人口が減少し始めていることや生産性の伸びがペースダウンしていることなどの要因により、中国の経済成長が減速することは必然的だ。そのほか、ドル計算のGDP動向は、実態経済だけで決定付けられるものではなく、インフレ率や人民元の対ドルレートにも左右される。過去10年の中国と米国の年平均インフレ率はそれぞれ3.8%と2.2%だったが、2005年の人民元為替レート形成メカニズム改革の実施以降、人民元対ドルレートは年平均4.2%上昇した。