中国人民銀行は12月25日、1年満期の預金・貸出基準金利をそれぞれ0.25ポイント引き上げると発表した。これにより、1年満期の貸出準備金利は5.81%、預金準備金利は2.75%となる。10月19日の3年ぶりの利上げに続いて2回目となる今回の利上げだが、人民銀の突然の決定には主に3つの理由がある。
インフレ管理
11月の消費者物価指数(CPI)は前月の4.4%から5.1%に上昇し、28カ月の最高に達した。12月は物価の低下が予想されるが、来年第1四半期は物価上昇圧力がさらに高まる見通しで、人民銀は来年の経済状況を考慮して利上げを決めた。
そのほか、マイナス金利状態を改善し、預金金利をマイナスからプラスに転換するシグナルを市場に発すことを目的としている。1年満期以上の預金金利の引き上げ幅が0.25ポイント以上であることから、預金者の心理状態を安定させ、市場のインフレ観測を抑制する上である程度の役目を果たしていると考えられる。