国際労働機関(ILO)がこのほど発表した「世界賃金報告2010/2011」により、世界100以上の国における金融危機以降の賃金収入の変化が明らかになった。広州日報が伝えた。
同報告によると、欧州諸国と主要先進国の賃金水準は2007年の金融危機以降明らかに下降した。一方、アジアは中国の経済成長・賃金増加により、世界で最も賃金が増加した地域となった。
ILOは2008年以降、世界賃金調査報告を発表しており、今回は2回目の発表となる。同報告は115カ国の賃金データを分析、調査対象は世界の労働者の94%(世界の賃金総額の98.5%に相当)をカバーしている。
報告結果によると、2007年の金融危機発生前、世界の賃金平均増加率(中国を除く)は2.2%だったが、2008年と2009年に、この増加スピードはそれぞれ0.8%、0.7%に低下した。世界の主要経済体が集まるG20の賃金平均増加率(中国を除く)の低下はさらに激しく、2007年は1.8%だったのが、2008年と2009年には0.5%にまで低下した。
アジアの賃金変動に対する追跡統計によると、2006年から2009年にかけて、アジアの実際の賃金平均増加率(中国を除く)は7%以上を保ち、2007年は7.2%、2008年は7.1%となったほか、2009年は8.0%に回復した。アジアの賃金増加は大部分が中国の貢献によるものだ。中国の賃金増額はアジア全体の半分以上を占めている。一方、フィリピン、マレーシア、タイなど東南アジア諸国では、賃金がマイナス成長した。ここ10年間を見ると、アジアの賃金は1999年から2009年までに倍増している。
「人民網日本語版」2011年1月18日