宝鋼の円借款利用の過程で、中国はずっと受け身に立たされてきた。宝鋼が後に借款額を算定したところ予算を数倍も上回っていたため、これを償還しなければならなかっただけでなく、宝鋼は日本のプラント設備を大規模に輸入し、武漢鋼鉄(集団)公司などの鉄工所も基本的にこれにならったため、中国が自主開発した設備は出る幕がなかった。
これは日本の海外戦略において財団が形成した優位点だ。総合商社を先発隊とし、ある国の産業情報と投資機会とを得て、財団の他のメンバーとともにその国に進出し、産業チェーン全体の利益を分け合うのだ。
円上昇後の日本の海外での発展と産業配置の中から経験をくみ取り、世界市場における中国の産業コントロール力を高める必要がある。
「人民網日本語版」2011年2月10日