▽大規模な海外進出はチャンスでもあり、必然でもあった
中国銀行の肖鋼董事長によると、中国銀行業の海外資産は1985年、わずか90億ドルあまりだったが、2009年には2700億ドルを突破した。2009年末、中国銀行業の海外拠点数は1200カ所を超え、業務範囲は32カ国・地域をカバーしている。
工商銀行国際業務部の胡浩総経理は、「金融危機期間中、一部の国では本国の金融業を促進するため、外資銀行の参入規制をやや緩和した。このため市場進出の条件が下がり、コストも下がった。これは国際化を加速中の中国系銀行にとって、ありがたいチャンスとなった」と述べた。一方で、「金融危機のもたらしたチャンスは一つの側面でしかない。工商銀行を含む中国系銀行の海外進出は、根本的には国家戦略に適応するための必然的な選択であり、世界一流の現代金融企業になるための内在的な要求だ」と強調している。