アメリカのガイトナー財務長官は16日、上院財政委員会で証言し、中国でインフレ圧力が強まっているが、これは企業や投資家が中国のコスト上昇を織り込まなければならないため、米国の競争力を向上させる一助になるとの見方を示した。『ウォール・ストリート・ジャーナル』が伝えた。
ガイトナー財務長官は、中国はすでに人民元の上昇を容認することを決定しているとした上で、「表面的にみると、人民元は対ドルで月間約0.5%程度上昇しているだけだが、中国のインフレ率は米国よりもはるかに高いため、人民元の実質上昇ペースは0.5%を遥かに上回っている。これは非常に好都合だ。なぜなら、企業がどこに次の工場を設立するか、どこと長期契約を結ぶかを選択する際、米国の競争力増しつつあるという現実を考慮しなければならないからだ」と述べた。
また、ガイトナー財務長官は、人民元上昇率に関して、このままインフレが続けば1年で10%を越えることになると指摘し、「中国は人民元の上昇以外に選択肢がない。人民元を上昇させなければ、インフレ率は更に高まり、米国が経験したような金融危機のリスクが大きくなるため、中国はこれをなんとか回避しようとしている」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月18日