林国本
先般、水利事業の発展のための政府の通達が下された。これは今年から始まる第12次五カ年計画の最初の年における重要な布石の1つである。
私見であるが、毎年のように、春になるといつもテレビで、中国の一部地域における旱害についての報道が行われ、私はいつもこれだけ国力が増強したのに、なぜこういう面での資金投下が少ないのか、といささかもどかしさを感じていた。
食糧安全については、国内でも、世界でもコンセンサスができているはずなのに、とも思っていた。
今回の通達を目にして、ついに来るべきものが来たという感じだった。
もちろん、国の建設にはいろいろな分野があり、農業だけに巨額の資金を投下することはたやすいことでなかったことも確かだが、しかし、ある面ではここ数年間ずっと豊作続きで、倉庫には食糧がたっぷりあり、また、確率として、全国の三分の一の穀倉地帯が不作に見舞われることもほとんどありえないので、それほど深刻に考えてこなかったこともあろう。