現在の中国の工業力、資金力、農業科学のレベルから見ると、水利事業の発展はもうそれほど難事ではないと思うが、しかし、高い次元に立っての構想が不可欠である。つまり、灌漑用水路をどんどん作ることも必要だが、やはり最も重要なのは節水型農業へのシフトであろう。現在の工業力ではネットワーク型のスプリンクラー灌漑区をあちこちに作ることも不可能ではない。要するに、水をジャンジャン使うことよりも、作物ごとに科学的な灌漑法を考え出すことである。
テレビで見ていると、中国の東北地方などではまるでアメリカの大農場のようなところもかなりあり、飛行機で農薬を撒布しているが、中国のかなりの穀倉地帯がこのようになれば、もう毎年のように旱害やら冠水やらで一喜一憂することもなくなるはずである。
13億の人口を十分食べさせているだけで世界じゅうから高く評価されているのだから、近代的水利施設のととのった大農場があちこちにできる日がくれば、それこそ世界じゅうでさらに高く評価されるに違いない。いや、評価よりも大切なことは13億の民が枕を高くして眠れることだ。そうなれば、社会の安定も保たれ、その他の事業に全力投球することも可能となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月14日