中国人民銀行(中央銀行)がこのほど発表した「2010年国際金融市場報告」によると、銀行が行った越境貿易の人民元決済業務は2010年、累計5千億元を突破し、同期の対外貿易総額の約2%を占め、2009年比約48倍となった。
同報告によると、国内代理銀行が昨年行った越境人民元売買業務は300億元以上に達し、前年比約18倍となった。また、2010年末の時点で、国外企業が試行地域で開設した人民元決算口座数は1800以上にのぼり、口座残額は約500億元に上った。
報告によると、越境貿易人民元決済の国内試行地域は2010年6月以降、上海と広東省の4都市から、全国20省(自治区、直轄市)に拡大された。また、国外地域は香港・マカオ・ASEANから、全ての国と地域にまで拡大され、越境貿易人民元決済の試行業務も経常収支項目全般に拡大され、輸出試行企業は試行開始初期の365社から6万7724社へと大幅増加した。報告は「試行範囲の拡大は、国内外市場のニーズに応えるものとなり、貿易・投資の便利化を強力に促進、中国と周辺国家・地域、特に発展途上国との経済貿易関係をさらに強化し、関係はより密接なものとなった」と指摘する。
また、報告によると昨年、越境人民元投融資の試行は着実に推進された。越境貿易の人民元決済試行業務に合わせ、企業の海外進出を支持するべく、人民銀行は越境人民元投融資の試行において個別案件ごとの審査・認可を採用。2010年末時点で、各試行地域で行われた人民元越境資本取引は700億元以上に上った。
「人民網日本語版」2011年3月29日