米経済週刊誌ビジネスウィークのマイク・マンデルチーフエコノミストはこのほど、米空軍が国産品調達規定を守らず、中国製品を購入していたという驚くべき状況を発見した。米ニュースサイトのHuffington Postが20日報道した。
マンデル氏によると、米空軍はアラスカ基地の建設プロジェクトにおいて、「アメリカ経済回復および再投資法」で示された国産品調達に関連する規定を守っていなかったという。同建設プロジェクトは元々、アメリカ政府による経済刺激策のサポートを受けて実行されたものであり、規定に従ってアメリカ製品を購入・使用しなければならない。同基地は、天井扇風機、バスカーテン用つり棒、タオル掛けや各種ネジなど簡単な製品に関して、アメリカの製造メーカーが見つからなかったため、中国製品を購入したとしている。
調達担当者は、上述の製品に関して調達量と質が要求に達しなかったため、「大規模な市場調査を行い、アメリカ国内の製造メーカーの状況を把握した」上で決定を下したと話しているという。報道によると、2009年、アメリカ政府国産品調達に関する規定の内、140億ドル近い調達が未だに行われていないという。
マンデル氏は自身のブログの中で、米空軍が上記プロジェクトにおいて国産品調達を放棄したことは、「アメリカ製造業の衰退を証明している」と述べた。また、マンデル氏は、上述の簡単な製品が本当にアメリカ国内のメーカーから調達できなかったのかに関して、疑わしいとした。マンデル氏は「あるデータによると、ネジやナットのアメリカの生産量は近年増加している」と指摘した。
米紙ウォールストリートジャーナルオンラインの署名つきブログでは、このニュースが転載された。ブログの作者は、「アメリカ製造業連盟が米軍基地建設プロジェクトに中国製のネジを使ったことに対して、大げさに騒ぎすぎている感がある。これはアメリカ軍の戦闘力に影響するなどと云々するほど深刻な事ではない」との見方を示している。また、同作者は、納税者のお金が中国のねじ製造メーカーの懐に入らないように、アメリカ製造業連盟はアメリカのメーカーに対し、空軍基地建設プロジェクトに必要な製品を生産するよう呼び掛けるべきであるとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月22日