米国が製造業を中国に下請けに出す時代は終わりを迎えそうだ。ボストンコンサルティンググループ(BCG)が発表した報告によると、2015年までに、米国は中国を追い抜き、北米市場に流通する商品の世界一の生産基地になる見込みだという。
その大きな要因としては、中国の多くの地域における賃金の高騰がある。これにより、中国国内で販売拡大の余地があるケース以外に、外国企業が中国に生産基地を設置するメリットが無くなってきている。
ここ数カ月の間に、キャタピラー社、ゼネラルエレクトリック、フォードなどの多くの大企業が次々と、米国現地の製造業に新たな資金を投じると発表した。予測では、米国製造業の成長率は今年第1四半期、9.1%増を達成し、米国経済で成長率の最も高い産業になるという。
しかし、米国には、昨年中国に奪われた世界一の製造大国の座を奪い返すことのできる勢いはまだないとみられている。
BCGの関係者は、中国は工業と消費者の商品に対する巨大なニーズにより、今後数十年間は製造大国の座を守り続けるだろうと述べた。
アメリカン・エンタープライズ研究所のマキン研究員は、多くの米国企業は「労働力を節約できるハイテク技術を用いた精密製品」の生産にシフトを進めていると指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月9日