中国には安定したオリーブ型社会の構築が必要

中国には安定したオリーブ型社会の構築が必要。 中国は改革開放後30年以上にわたって高度経済成長を続け、世界経済史に残る奇跡をなしてきた。そして今や、日本に代わり世界第二の経済大国となった。しかし、人々が見逃している側面がひとつある。社会構造に目を向けたとき、中産階級の規模がかなり小さいという点である…

タグ: 中国 経済 オリーブ型社会

発信時間: 2011-05-09 11:15:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国は改革開放後30年以上にわたって高度経済成長を続け、世界経済史に残る奇跡をなしてきた。そして今や、日本に代わり世界第二の経済大国となった。しかし、人々が見逃している側面がひとつある。社会構造に目を向けたとき、中産階級の規模が相当小さく、少数の富裕層以外の大多数が貧困層であるという点である。「両極が少なく中間が多い」というオリーブ型社会、即ち中産階級社会を中国は実現していないのである。 

・社会構造はラテンアメリカに酷似

この現象を東アジア経済社会成長史に照らして考えると、中国社会構造の奇形ぶりはより際立つ。東アジア初の近代化した経済国は日本であり、それに続いたのが「四小龍」(台湾・韓国・シンガポール・香港)であった。これらの経済体の成長経緯はおおかた類似しており、どの経済体も約20年の間にめざましい経済成長をとげ、結果として非常に大きな規模の中産階級が形成された。こういった経済体において、中産階級は社会のさらなる発展と改革の原動力であるのみならず、社会安定の基礎にもなっている。

中国の経済成長過程も他の東アジア経済体と似通ったもの(いわゆる東アジアモデル)だと考える人も多くいるが、社会構造から見て、中国が他の東アジア経済体と性質を異にするのは明らかであり、それはむしろラテンアメリカの国々に近い。近年中国国内では、中国は「ラテンアメリカ化」するのか、既に「中産階級収入の落とし穴」にはまっているのではないかといった議論が盛んだが、こういった話題も全く根拠を欠いたものではないのである。

事実、中国は中産階級が少なすぎることで社会的安定の問題が各所に出てきており、社会の高度文化、総合的な道徳概念と信仰の欠如、社会信用などの問題が日々深刻になりつつある。社会的な価値と理想に関する思想が過激になり、往々にして極端な「左寄り」か「右寄り」によって社会が主導される状態であり、中産階級欠落の中、権力者と貧困層の間に軋轢が生じ、社会全体に不安定感が漂っている。

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