中国には安定したオリーブ型社会の構築が必要

中国には安定したオリーブ型社会の構築が必要。 中国は改革開放後30年以上にわたって高度経済成長を続け、世界経済史に残る奇跡をなしてきた。そして今や、日本に代わり世界第二の経済大国となった。しかし、人々が見逃している側面がひとつある。社会構造に目を向けたとき、中産階級の規模がかなり小さいという点である…

タグ: 中国 経済 オリーブ型社会

発信時間: 2011-05-09 11:15:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

・特権階級が社会の富を奪っている

中産階級の成長を促す政策が有効に執行されないのにはもう一つ別の構造的要因があり、それは特権階級の存在である。特権階級とは主に権力者のことを指す。社会保障や医療、教育、住居など多くの方面で、権力者は特別待遇を受けている。西側諸国においても、東アジアの日本や「四小龍」においても、近代化の過程で社会特権は社会化を受けた。権力者だけが享受していた権利は社会政策の構築過程の中で社会化され、権力者であろうと一般の社会人であろうと最も基本的な社会的権利は受けられるような構造に変わったのである。しかし中国ではこの社会化過程がいまだ始まっておらず、それどころか、権力階級の特権化は様々な要因(政治改革の欠如、国有企業の拡大など)から今も強化され続けている。そして特権が存在するがゆえに、中産階級に有利な様々な政策が執行無力化されている。特権階級が政府内部でも特権を得ているから、政府に社会改革を進める人間がいないという、簡単な道理である。

特権層や富裕層が中産階級に帰するはずの富を奪い、さらには中国の中産階級の存在自体を奪ったのである。

中産階級を欠いた社会では、各方面で「ゼロサムゲーム」の様相を呈するようになる。社会が本当の安定状態に入るには、中産階級を根付かせることが必須になるが、これには権力を放棄し、富を社会に還元することが求められる。中産階級が健全に成長してはじめて、社会は良好な成長局面に入れるだろう。(5月2日付シンガポール聯合早報紙「中国から中産階級を奪ったのは誰?」より。作者はシンガポール国立大学東アジア研究所所長、鄭永年氏。)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月9日

     1   2   3  


日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。