実際のところ、外貨準備の適量については様々な意見がある。しかし、ロンドン金融街の多くのエコノミストが、中国中央銀行の周小川総裁が述べた「中国の外貨準備は合理的な水準を越えている」という意見に賛成している。ブルーオークのアナリスト、ジェームズ・スチュワート氏も、中国の合理的な外貨準備水準は8000億ドル~1兆2500億ドルだとしている。
中国の外貨準備は規模が大きすぎるだけでなく、増加の勢いも激しい。2010年6月に2兆ドルを突破した後、1年経たないうちに1兆ドル増加した。オニール氏は、中国の外貨準備の急増は貿易が招いたものではなく、人民元レートと直接的な関連があるとの見方を示している。
2011年第1四半期、外貨準備が前年同期比で24.4%増加したのに対し、貿易は赤字となっている。このことから、人民元切り上げへの期待が高まる中で、大量の投資と投機的な「ホットマネー」の中国への流入が加速したことが、外貨準備が新たに増えた主な原因だと考えられる。