しかし、中国の状況はまた特殊である。他の新興市場国と異なり、中国は人口の流動を抑制してきたため、都市化と工業化のバランスが著しく崩れている。ハイレベルな工業化とは対照的に、都市化のレベルは遅れている。しかし、今後10年間、中国の都市化が加速するにつれ、大量の人口が都市に流れ込み、医療、住宅、食品など多くの方面において、ますます膨れる都市人口のニーズを満たす資源やサービスが求められるようになる。これにより、商品やサービスの価格が上昇することは避けられない。そのほか、中国にとって、この都市化の加速は簡単に実現されるものではない。つまり、今後一定の期間、中国は都市化による経済成長を享受するとともに、比較的高いインフレに堪えなければならない。
都市化の加速にともない、長期的に抑えられていたエネルギー資源の価格が今後上昇するのは間違いない。長年にわたり、中国全ての市場はエネルギー資源を廉価で利用してきた。しかし、エネルギーと資源の過度な消費や環境破壊は中国経済の持続可能な発展を脅かすようになった。過去数年、中国はエネルギー資源価格の改革のチャンスを何度も逃してきた。しかし、現在は改革をためらう猶予は残されていない。