EUを一つの経済体とした場合、そのGDP(国内総生産)は世界1位、日本は第4位となる。世界一の経済体と世界4位の日本が自由貿易協定(FTA)を結べば、間違いなく巨大な市場となる。しかし、ヨーロッパ人は現在、このような構想に対して、あまり興味を示していない。
日本とEUの政治家、専門家、メディアの論評を比較すると、日本側がFTAの交渉に熱心であるのに対し、EU側は相対的に慎重な姿勢を示している。
ここ最近、日本はFTAに非常に積極的である。日本のメディアによると、日本は5月31日にペルーとFTAを締結する。その前にも、日本は中国、韓国とFTAに関する研究を共同で行うことで同意している。また、日本はタイなどASEAN国家がアメリカを中心とする「環太平洋パートナーシップ協定」に加盟するよう推し進めている。日本がこのように自由貿易協定に積極的なのは、輸出の拡大により経済回復を牽引するとともに、一つのFTAで次のFTAを刺激しようという狙いがある。
EU側は日本とのFTA交渉に同意したが、これは日本市場だけでなく、中国を考慮したものである。現在、EUは韓国とFTAを締結し、ASEANとも交渉中である。EUは中国周辺の経済体とFTAを結ぶことで、貿易面での中国への依存を減らそうとしている。
現在、中国周辺の経済体はFTA交渉の新たな段階に入っており、複雑な局面を迎えている。今後、このような大陸間のFTAがアジアの経済統合にとって、有利に働くのか、それとも不利となるのかについては、研究してみる価値がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月31日