3.11東日本大震災の傷の惨状がなお1つひとつ目にさらされ、全世界が震災復興の状況に強い関心を寄せる中、これまで知られていなかった2つの事実が水面上に浮かび上がってきた。第1は「失われた王国」だ。つまり今回の地震の深刻な被災地である東北地方が、全世界の先端製造業の重要な拠点として、半導体や自動車の主要部品、電機パーツといったハイテク産業の集積地だったことである。第2は「沈黙の王者」だ。長期にわたり不振の続く経済は日本の世界の舞台での活躍の程度を削いだが、実は、日本は依然として全世界の製造業の先端分野をしっかりと掌握・制御し、重要部品の全世界のサプライチェーンを左右しているのである。
まさに米国の経済学者が指摘するように、東日本大震災により全世界の産業界は再度、日本の産業界が擁する実力を感じ取った。その一方で、今回の震災を通して全世界の産業界は、新材料と重要部品のサプライチェーンを自然災害が多発する日本に依存しているリスクが非常に大きいことも深く感じ取った。際的には「サプライチェーンのリスク」の回避に向けた圧力が共通認識であり、このため日本の産業界は新材料と重要部品の生産・製造について世界範囲で再配置することが迫られている。中国を含む東南アジア各国・地域は、この好機に狙いを定めるなど強い興味を示しているところだ。
では、第1に、日本の重要部品サプライチェーンの再配置の動きはどうなのか。第2に、中国の地方政府と企業はいかに戦略を運用して、この好機をしっかりと把握すべきなのか。
こうした問題を携え、チャイナネットの記者は国務院華僑専門家諮問委員会委員で、商務部国際経済貿易研究院の特約研究員、日本筑波大学の産業社会学博士・蔡林海氏にインタビューした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月27日