1.中国を回避する傾向があるのはなぜか
大震災後、日本の産業が復興で重要部品サプライチェーンの再配置を進めるに当たり、先端製造業の移転で中国を回避する傾向があるのはなぜか。
国務院華僑専門家諮問委員会委員で、商務部国際経済貿易研究院の特約研究員、日本筑波大学の産業社会学博士・蔡林海氏は「それには、それが今回の日本の産業移転の最大の特徴であることを再度、明確に認識しなければならない」と指摘。第1は、今回の移転の主体は日本が掌握する全世界の「先端製造業」の一部であり、これまでのエネルギー高消耗、高汚染の下端産業を人的コストが低廉な中国を含む東南アジアなどの国に移転させるのとは異なり、日本は今回の移転に当たっては、コストにこだわっていないため、中国が備える相対的に言って人的コストが比較的低い優位性も、際立つことがなかったからだ。