2.周辺国・地域のバイヤーが講じた行動は
日本の復興現場では、われわれが関心を寄せ深く考えるに値するこんな光景が見られた。できるだけ早くサプライチェーンを復旧させるため、日本の被災企業、全世界のバイヤーが被災地の東北に集まり、着実に企業の再建をサポートしたのだ。ルネサンス・エレクトロニクスだけても、茨城県那珂にある主力工場には世界各地から外国人バイヤーが1万人近く集まった。彼らは再建・再開を手助けするとともに、重要部品の供給リストを早く手にすることを望んでいた。シンガポールやマレーシアなど東南アジア諸国と台湾は、東北地方の先端製造業に移転してもらおうと、相次いで被災地での復興を支援し、被災企業に投資するとともに、被災地の企業が当面の難問を解決するのを手助けし、同時に移転企業に各種優遇措置を提供することを明らかにした。
では、このような環境と状況の中、中国とくに地方政府と企業は一体、どんな措置を講じて日本の先端製造業の中国への移転を呼び寄せ、奨励していくのか。長期にわたる周到かつ慎重な調査と研究を経て、蔡氏はいくつかの点を提言している。