◆低・中所得層を対象とする減税
今回の税制改革は、課税ラインを2000元から3500元に引き上げたのみならず、所得税率の構造にも大きな変更を加えた。税率をこれまでの9段階から7段階に減少し、40%および15%の税率を廃止し、第1級税率を5%から3%に引き下げた。また税率が最低の第1級、および最高の第7級の適用者数を適度に拡大した。
新税法の規定に基づき、ここで試算を行ってみよう。収入が7000元で、1600元の「五険一金」(養老保険、失業保険、医療保険、公傷保険、生育保険、住宅公共積立金)を差し引き、3500元の免税額を差し引くと、残された1900元が課税対象額となる。ここで注意しなければならないのは、第1級税率および第2級税率に基づき、この1900元に課税することだ。つまり、1500元×3%(第1級)=45元、400元×10%(第2級)=40元となり、45元+40元=85元が納税額となる。この場合、個人所得税の実際の課税率は収入の1.6%のみである。現行の税法に基づけば、1ヶ月の収入が7000元の場合、385元(7.1%)を納税する必要がある。つまり1ヶ月の収入が7000元であれば、個人所得税を300元少なく納めることになり、実際の課税率は7.1%から5.5ポイント減の1.6%となる。