WTOの専門家チームは中国に「不意打ち」を食らわした後、今度は「平和ムード」を醸し出してきた。案件の審査の範囲、輸出割当の分配と管理、輸出許可証の発行などに関する中国の見方・立場の大部分を支持し、中国が輸出価格制限の関連措置を撤廃したことを認定し、中国が耐火粘土と蛍石に対して取っている総合的管理措置を評価したのだ。
こうした動きについて、復旦大学経済学院の張軍教授は「欧米の今回の方向性をもった提訴は、中国のレアアースをはじめとする戦略的エネルギーを視野にいれたもの」と指摘する。
張教授によると、WTOはこれまでずっと欧米に発言権を握られてきた。中国は第一回目の裁定では負けたが、これは中国側が「事を穏便に済ませる」ことを意味しない。中国は上訴の中でWTOが欧米からの影響を過度に受けているという事実に改めて言及することもできる。また「目には目を」で、反対に製品や技術の対中輸出制限を緩和するよう欧米にアピールすることも可能だという。
また張教授によると、中国が上訴すればマラソン式のプロセスになる。実のところ、欧米がほしいのは裁判の結果ではなく、談判過程で中国に圧力を加え、中国にレアアースなどの資源の輸出制限を緩和させることだという。
「人民網日本語版」2011年7月7日