円高傾向はますます勢いを増し、震災からようやく立ち直ろうと全力で立ち向かっている日本経済に冷水をかける。8月3日の東京為替市場は一気に1ドル76.6円という歴史的な高値を記録した。これは東京為替市場始まって以来の最高記録で、日本の製造業に大きな打撃を与えるものだ。復興再建中の日本の自動車業界はやっと生産ラインの正常化問題を解決したばかりだというのに、円高という試練に直面することになった。
アナリスト、カート・サンガー氏によれば、日本の自動車輸出の損益分岐点となる為替レートは85円前後だという。85円より低いレートになると、大多数の日本の自動車メーカーは輸出による利益がなくなる。また、彼はホンダ、スズキに比べ、トヨタ、日産は円高の影響を受けやすいという。後者は日本から輸出する自動車完成品、部品の数が膨大だからだ。
以前、ホンダの佐々木副社長は、ホンダは海外生産基地、特に新興市場での部品調達率の現地化比率を上げるべきだと話したことがある。これからの新興市場では、今後「100%現地調達部品」での低価格車種が登場するだろうという。