市場におけるリスク回避ムードの強まりを受け、世界中の投資家が円買いに走り、円・ドルレートは19日のニューヨーク為替市場で一時75.95円まで上昇し、3月17日の76.25円の戦後最高を更新した。
最近、日本政府高官が度重なる「口先介入」を行ったにもかかわらず、円の力強い上昇傾向と投資家の悲観的な世界経済見通しを阻むことはできないらしい。アナリストは、日本政府の単独介入に持続的効果が期待できないと指摘する。
7月中旬からの円の一方的な上昇に歯止めをかけるため、日本政府と日本の中央銀行である日銀は8月4日に為替市場で4兆5000億円(約585億ドル)規模の円売り・ドル買い介入を実施した。為替市場介入実施後、円レートはいったん下がっていた。
しかし、その円安傾向が長く続かなかった。国際国債格付け機関のスタンダード&プアーズが8月5日、初の米国債格下げを行ったことを機に市場の恐慌ムードが広がり、円ドルレートはその後10日営業日連続で下がり、第11営業日――8月19日のニューヨーク為替市場で、円ドルレートが一時75.95円をつけ、戦後最高を更新した。