中国国営の移動体通信大手「中国移動」広東支社主催のモバイル通信サミットが24日、広東省広州市で開かれ、業界の関係者らが出席した。出席者らはモバイル通信の今後について、無限の可能性があるものの、発展の過程には克服しなければならない課題もあると指摘した。
携帯電話用ブラウザ世界最大手「優視科技(UC)」の兪永福・理事長兼最高経営責任者は、モバイル通信は盛り上がっているように見えるが、実際に市場を開拓するのは難しく、10億元(120億円)の利益を出している企業は数えるほどしかいないとした。
兪氏は海外にはない中国独特の問題としてコピー商品の存在を挙げ、「これがターミナルアダプタの問題を前例のないほど複雑かつ困難なものにしている」と指摘。UCが開発した商品は6千種類以上の携帯に対応していると浮かれていたが、「モバイルサービス対応の機種だけで9千種類ある」との中国移動のある責任者の一言で目が覚めたと語った。
この問題について、中国のテクノロジー関連企業に長年にわたり投資を続け、モバイル通信にも投資している「晨興創投(Morningside Ventures)」の責任者も同感との立場を示した。同氏は世界のスマートフォン(多機能携帯電話)の出荷量は今後2年以内にパソコンの出荷量を超え、携帯を介したモバイルデータトラフィックもパソコンのそれを超えるだろうと楽観的な見通しを示す一方、多くの課題を抱えていると指摘。▽モバイルインターネットには期待するような支払い方式がまだないため、企業も信頼できる収入モデルを確立できずにいる▽モバイル通信を利用する際、多くの人は無料サービスを利用することに慣れている▽従来のインターネットのような成熟したブランド広告市場が形成されていない▽モバイル通信はインターネット通信速度に限界があり、トラフィック費用も高いため、オンラインゲームなどパソコン向けに製作されているネットサービスをすぐに携帯にも対応させるのは難しい--とした。
「人民網日本語版」2011年8月26日