もうひとつ、これは余談になるが、たいへん参考になったのは、私の隣に坐っていた若者が乗車から徐州で下車するまで、ずっといま流行のI・PADをいじくりまわしていたことだ。私のような紙媒体の時代に育った人間には隔世の感がある。最近、やがて紙媒体は10%程度しか残らなくなる、ということを日本のエコノミスト誌などで目にしたが、私は今の若者たちやそれ以下の子供たちのライフスタイルを見ていると、1%すら残らなくなる日が来るように感じている。
さらにひとつ言わせてもらうと、北京南駅からわが家へ戻るのに、白タクを利用せざるを得なかったことだ。これは北京市の都市管理の問題でもあろう。これだけ多くの旅客が利用するところがこの調子では、世界的大都市の看板が台なしである。北京市にとっては、こんなことを解決するのは朝飯前だろう。それほど難しいことではない。
しかし、開通したばかりであるから仕方がないといえばそれまでだが、北京オリンピックのように力を入れていなかったからだろう。
要するに、数年間で先進国が数十年かけて歩んだ鉄道高速化の道を歩み終えたと胸を張る前に、着実にサービスの改善を考えるべきであろう。北京南駅は現代都市北京の玄関ですよ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月17日