▽フィッチの意図は?
「信頼は金にもまさる」という状況の中で、フィッチが中国銀行業への評価を引き下げたことが注目を集め、市場では「フィッチの陰謀ではないか」との疑いの声が起こっている。欧米資本にコントロールされたフィッチは、発展途上国の利益を犠牲にし、深刻な債務危機に陥っている欧米諸国に資金が流れるようにして、欧米経済に対する市場の信頼感を再構築しようとしているのではないかという「陰謀論」だ。
中国人民大学信用評級研究センターの呉晶妹教授は「過度の反応やどこ吹く風の対応はいずれも取るべきではない。ただフィッチは中国銀行業と地方政府の債務の評価で、確かにリスクを拡大し、一方的な見方をしているという嫌いがある」と述べ、フィッチは欧米資本の格付け機関であり、外部からフィッチにかかる圧力を軽視してはならないと指摘する。また「欧州はフィッチなどの格付け会社のやり方は欧州向けのものだとみなしている。こうした背景の下で、フィッチは『ブラックリスト入りする者』を新たに探し出して、自身のいわゆる『公正さ』を示さなければならないのだ」と話す。
中国現代国際関係研究院の江涌研究院は「金融危機の際に格付け会社は『集団で沈黙し』、その信頼性が大いに損なわれた。今は『名誉挽回』の時期なのかもしれない。フィッチが市場での影響力を拡大し、国際格付けシステムにおける市場シェアと発言権を高めることを狙って、今回の発表を行った可能性を排除しない」と話す。
「人民網日本語版」2011年9月20日