日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)はタイの洪水と現在の鉄鋼業の状況について明らかにした。
林田会長によると、世界経済が低迷する中、タイの洪水は日本の鉄鋼業に大きな影響を与えている。自動車業界、電子業界、部品メーカーなどが打撃をうけ、鉄鋼の需要が急激に減少したという。同会長は2011年度(2011年4月から2012年3月)の粗鋼生産については、前年度の1億1079万トンを3%下回る1億700万トン程度になるとの見通しを明らかにした。
そのほか、円高については鉄鋼業界に影響を与えているし、「このままでは国内産業の空洞化を招く。環太平洋経済連携協定(TPP)に早急に参加するべき」との見方を示した。
鉄鉱石のスポット価格が下落していることについて、林田会長は、サプライヤーによる値下げのニュースは入ってきていないとしながらも、「鉄鉱石のスポット価格が下落したとしても、サプライヤーとの長期契約を解約してスポット市場で買いあさることはしない」との姿勢を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月31日