財政経済評論員の余豊慧氏は、ブラックストーン社は一貫して中国政府の市場コントロール動向を観察してきたと指摘する。中国市場動向の分析ならびに中国の情報筋の話を踏まえて決断された今回の撤退は、政府の調整政策に対する意思は強固で、緩和されるといった観測は幻想に過ぎないという判断を彼らが下したことに他ならない。
確かに、温家宝総理は先日、広西省の省都・南寧を視察し、「不動産市場の明確な調整成果を求める」と述べたばかりだ。銀行監督管理委員会の劉明康主席も、たとえ不動産抵当融資のストレステストが40%に下降しても中国の不動産ローンのリスクをコントロールする、と立場を明確にした。これらの表明は、中国の上層部が不動産市場の調整を緩めることはないことを示している。
財政経済に詳しい作家の葉楚華氏は、中国不動産バブルが終わる要素は国内外ともにすでに形成されているものの、米FRBの金融緩和がその最終的なきっかけになるだろうと指摘する。つまりバブル崩壊の最後の一撃というわけだ。「FRBの金融緩和を待たずとも、それを市場が予測するだけで莫大なドルがアメリカへ還流し始めるだろう」と言う。