ウォールストリートジャーナルは11月20日、10年後のヨーロッパ経済に関するハーバード大学歴史学部のファーガソン教授の文章を掲載した。その文章でファーガソン教授は、ユーロは生き残るがEUは解体し、ヨーロッパの政治の中心はブリュッセルからオーストリアのウィーンに移ると予測した。主な内容は以下の通り。
1.ユーロは「政府キラー」となり、一連の国の政府を崩壊させる。ギリシャのパパンドレウとイタリアのベルルスコーニだけではない。これまでにオランダ、スロバキア、ベルギー、アイルランド、フィンランド、オランダ、ポルトガル、スロベニアの政府がユーロによって崩壊した。今後はスペインのサパテロ、そしてフランスのサルコジでさえも政権を下りることになる可能性が高い。
2.ユーロはポピュリズム(大衆主義)の台頭をまねく主要因である。オランダの自由党、真のフィンランド人党は新世代のポピュラリストを育成しようとし、ベルギーは分裂の瀬戸際にある。現行のユーロ政治体制は崩壊しつつある。