1年に1度の中央経済活動会議がまもなく開催される。アナリストは、今回の会議で検討される2012年の政策方針は「安定した金融政策」と「積極的な財政政策」と分析。金融政策に関しては、「安定」を軸に、先見性、柔軟性、的確性をみすえた微調整を適時的に実施するとし、財政政策に関しては、「積極的」な方針で、主に減税に取り組むだろうとした。
金融政策の全面的緩和の可能性は低い
金融政策に関して、中国人民銀行(中央銀行)はこれまでに、「適時的かつ適度に微調整を行う」と発表している。これに対し、アナリストは、「来年、金融政策が全面的に緩和される可能性は低い」との見方を示した。
興業銀行の魯政委チーフアナリストは、「前期の政策により、内需は低下、底打ち感を示した。政策の微調整はすでに始まっている。新規貸付額も増加し、2012年第1四半期のマネーサプライ(M2)は前年同期比で増加する見込みである」と述べ、政策の微調整により、今後の経済は穏やかに回復するとの見方を示した。また、魯政委氏は、「年末に約1兆5000億元の財政資金が流出することを考慮すると、年内は預金準備率を引き下げることはない。預金準備率が引き下げられるとすれば、おそらく来年になるだろう」と述べた。そのほか、金利の調整に関しては、年内の調整はないとし、来年行われるかどうかも不透明だとした。しかし、預金金利の上限と貸出金利の下限の決定権を金融機関に与えることで、金利政策の調整を達成する可能性はあるとの見方を示した。
また、ある関係者は、「来年の経済成長は今年よりも鈍化する。中央銀行は来年の第2四半期にも利上げの必要性に迫られる」との見方を示した。