中投顧問環境ビジネス研究員の盤雨宏氏は記者に対し、現在の国内における炭素排出権取引には2種類あると述べる。「企業が自ら削減に取り組むプロジェクト(VER)とクリーン開発メカニズム(CDM)の2つだ。中国でのCDMプロジェクトは良好に発展しており、世界最大のCDMプロジェクト提供国となっている。国連から獲得したCERs(CDMで発行されるクレジット)の量も劇的に増加している。しかしVERは発展が比較的遅い。国内で炭素排出権取引市場が整備しきれていないことが主因である。」
盤氏はさらに、「一部上場企業にとっては、炭素排出権取引価格の下落は将来の収益に直接影響するものだ。取引価格下落は関連する国内上場企業において株価の下落要因になる。将来の収益が下がると予想されるからだ。とはいえ、国内ではまだ炭素排出権取引市場が未整備であり、現在は試行錯誤の段階に過ぎないため、その影響は大きくならないと見込まれる。しかし今後の見通しとしては暗い」と指摘する。
「自分たちが持つ炭素排出権を先進国に売ってきた中国企業は、取引価格が下落するほど収益が低下することになる。収益の低下は当然、企業が採用してきた先進的な省エネ技術による炭素の排出削減の機会を減らすことにつながる。そのため、中国にとっては相当に不利なものになる。直接関連する企業は減益という直接的な影響を被るだろう。」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月2日