中国における2つの報道が、ドイツ自動車業界の注目を集めている。まず、アウディの昨年の中国における販売台数が、ドイツ本国を上回ったこと。次に、中国政府が「外商投資産業指導目録」の中で、自動車製造を「奨励類」から削除したことだ。ドイツ自動車工業会および専門家は、本紙の取材に応じた際に、「中国市場はドイツ自動車メーカーにとって重大なビジネスチャンスを意味しており、欧州債務危機下の欧州経済を安定化させる役割を果たす」と述べた。中国は2012年、世界経済の安定化を引き続き促進する。ドイツ企業もまた、中国に対する投資を継続する。人民日報が報じた。
◆中国での販売台数がドイツ本国を上回る
アウディが発表したデータによると、同社は2011年に中国で、前年比37%増の31万3000台の売り上げを達成し、初めてドイツ本国での販売台数を上回った。同社が中国で販売する自動車の80%は、長春市の合弁企業が生産したもの。同社のマーケティングおよび市場管理を担当する蕭紳・執行董事長は、「今回のデータは予想を上回るものであった。本社は今後も質の高い自動車を製造し続ける」と述べた。
同データの変化は、ドイツ自動車メーカーの中国での業績を反映している。アウディは先月、広東省で新たな自動車工場を建設することを発表した。同工場は2013年に稼働を予定しており、年産は15-20万台に達する見通しだ。ドイツ自動車工業会のマティアス・ビスマン会長は6日、ドイツ自動車メーカーは昨年、中国市場での販売実績が2桁成長を実現したと発表した。同氏は、中国経済の成長率は鈍化しているものの、依然として高度成長を維持しており、市場に大きな潜在力が残されていると述べた。ベルリン自由大学のコリアー・経済学教授は、「ドイツ経済が国際金融危機の最中で順調に回復した主な理由は、質の高い製造技術である」と指摘した。同社の中国での成功はまた、中国の工業化により巨大な需要が生まれたことを示しており、互恵関係が築かれている。