モルガンスタンレーアジア会長のスティーブン・ローチ氏は12日、ブルームバーグTVの取材に対し、世界経済が停滞するリスクに直面する中で中国経済はインドと比較しても底堅く推移する見解を示した。中国ではインフレもコントロール下にあり、通貨引き締め政策を緩和させることで、世界経済不況の影響を最低限に抑えられるとする。
また同氏は、中国と比較してインドのインフレは深刻度が高く、財政赤字も中国を大きく上回るため、通貨引締めを緩和するにも限度があるとの見方を示す。世界経済不況のリスクが高まる中、インド政府が打つ手には限りがあるのだ。それと比較すれば、中国のインフレはコントロール下にあり、政策の選択肢は広がっている。
またローチ氏は、インフレがインド政府の足を引っ張っているとの見解を示す。インフレとルピーの下落という二つの問題は、インド当局にとって最も手に余る問題だ。財政赤字に歯止めがかからない状態では、財政出動の拡大や公共投資への資金投入が行えないという背景がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月14日