世界銀行は18日、「2012年世界経済見通し」を発表した。同行は、発展途上国の成長予測を昨年6月の6.2%から5.4%に、高所得国の成長予測を2.7%から1.4%に、ユーロ圏の成長予測を6月の1.8%から-0.3%にそれぞれ下方修正した。また、同行は中国の経済成長予測も下方修正。2012年の予測を8.7%から8.4%に、2013年の予測を8.8%から8.3%に引き下げた。
世界の成長率に関しては、2012年を2.5%、2013年を3.1%と予測。購買力平価ベースでは2012年が3.4%、2013年が4.0%とした。世界銀行は、「ユーロ圏の信用不安といくつかの新興経済国の成長鈍化が世界の成長見通しを暗くしている。発展途上国は下振れリスクへの対応を検討すべきだ」と指摘した。
世界銀行の林穀夫チーフエコノミストは、「中国のGDPに占める財政赤字比率は約25%とまだ低水準であり、また、中国政府は財政政策を実施する余地を残している。したがって、中国が今後2年間安定した経済成長を維持する可能性は高い」との見方を示した。
今後の中国経済を支える動力に関して、林氏は、「外需が疲弊しており、内需を拡大する必要があるが、そのためには投資と消費の拡大が不可欠である。現在の中国の発展段階からすると、経済成長を維持し、所得水準を引き上げ、産業のレベルアップを実現するためには、消費ではなく、投資の拡大に重点を置く必要がある。投資を拡大することで、短期的には需要を創出し、長期的には生産力を増大させることができる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月20日