中国で小型車の先駆けといえば「フィアット126P」だが、小型車を普及させたのはスズキの「アルト」である。アルトは3代に渡って中国で現地生産されている。そのうち、長安グループの生産する旧式のアルトは中古車市場で今も人気を誇っており、「新車は安いが、中古車は安くない」と言われるほどである。今回はアルトの歴史について簡単に紹介したい。
スズキが誕生したのは100年以上前。自動車生産経験は50年を超える。アルトが誕生したのは1970年代のオイルショックの後。アルトという名前は、イタリア語で「秀でた」「優れた」という意味だ。
初代アルト(SS30V/40V型)は女性に大人気
初代アルト(SS30V/40V型)は1979年5月に発売された。前輪駆動方式を採用した2ボックススタイルで、後部座席は折り畳み式、エンジンは2サイクル3気筒T5B型539ccエンジンを搭載し、動力は28馬力だった。その後、排気ガス規制対策により、アルトは1981年に排気量543ccのF5A型「4サイクル」エンジンに交換。動力はやや低下した。