共通利益の確保は、ここ数年来の中国と米国のパートナーシップ推進の表向きの指針となっている。一方で、戦略的思考から、中米双方が対外に相手のコア利益と重大な関心事が起こるたびに尊重の意思を示し、相手の限界を越えないよう注意を払ってきたことは中米間の暗黙の了解であった。
しかし、双方は利益を拡大させる過程で、まず自国の利益に出発点に置いている中米両国は、いくつか問題においてなお大きな隔たりがあり、いくつかの分野に至っては、時として激しい摩擦もあった。ところが、思いがけず起こった金融危機が、台頭する中国と覇権を強化しようとしていう米国を再度同じテーブルに着かせた。今後両国がそれぞれ「攻め」でいくか、それとも「守り」に向かうか、『会社の力:ウォール街決戦』の著者・劉洪氏は『経済参考報』のインタビューに応えた。
金融危機は中米二国間の距離を縮める役割を果たした。
『経済参考報』:『会社の力:ウォール街決戦』では、今回の国際金融危機以降の中米関係の微妙で複雑な変化や、両国の多方面における利益のための駆け引きについて書いて、両国間の競合関係を表現している。かつての近距離で観察していた人として、あなたは今回のウォール街発のサブプライム危機――米国ないし世界経済に大きな打撃を与えた金融危機が中米関係に及ぼした影響や両国関係の今後の方向についてどう考えているか?