限られた融資チャネル
中央経済工作会議の決定によれば、2012年のマクロ経済を「穏中求進」(「安定の中で進める」の意)としており、政府は穏健な金融政策を続けるはずである。しかし、それが必ずしも金融緩和することを意味しないと、北方交通大学の趙堅教授は指摘する。鉄道部に対する貸付や鉄道部の起債が容易になるわけではないのだ。
昨年10月以来、鉄道部は特別融資を得ている。国家による2千億元の銀行融資と700億元の鉄道債である。にもかかわらず、現在動いている約300のプロジェクトのうち、鉄道部が資金を投入できたのはそのうちの数十プロジェクトのみである。しかも、なかには1~2億元程度しか資金投入できていないものもあり、数十億元、数百億元が必要とされるプロジェクトにあっては焼け石に水だ。
業界筋は、現在の鉄道部が高鉄の建設速度を減速させたとしても、すでに始まっているプロジェクトがもたらす債務が、今後大問題に発展するとの見方を示す。債務危機が勃発するのは2012年だと予測するウォッチャーもいる。償還期のピークが近づいているからだ。