改革を行わなければ経済危機に陥る恐れも
ゼーリック総裁は、過去30年あまりで中国の6億人超が貧困を脱したことに言及。しかし、国務院発展研究センターの劉世錦副主任によると、報告は2030年に中国の経済成長率が10%から5~6%に縮小すると予想し、改革を行わなければ中国の経済成長率の下げ幅が拡大する可能性もあると指摘した。ゼーリック総裁は、中国の指導者は過去30年において成長モデルは成功を収めたが、新たな試練に対応するために転換が必要であることを認識済みだと見ている。これについて、国務院発展研究センター・世界発展研究所の丁一凡副所長は「環球時報」に対し、「現在の情勢下で政府は改革を主導する役割を担っているため、改革のさまざまな面は政府または政府関係部門の行動で決まる。中国の改革を妨害するのは既得権益集団である。また、改革の効果は政府の決意にかかっている。中国は外部の危機によって改革を迫られている」と述べた。
また報告は、中国は世界の貿易に占める割合を絶えず高め、そのうえ世界最大の債権者であることから、人民元国際化が進むと見込んでいる。しかし、人民元が受け入れられ、世界の主要準備通貨になれるかどうかは、中国の金融分野の改革の進展と成果にかかっている。英「フィナンシャル・タイムズ」は、外国投資家は中国の株式市場と債券市場に多く投資するようになり、人民元の国際通貨化を後押しし、それによってドル以外の選択が可能になると論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月1日