欧米メジャーによる全面制覇
崔新生氏によると、近隣諸国の国営石油メーカは確かに中国との事業提携を展開しているが、その繋がりはいずれもそれほど強くはない。南シナ海をめぐる係争により、地域内の関係は緊迫したものになっており、関連企業がその繋がりをさらに深く、広範的なものにしたくても出来ない状態にある。特に、合意された南シナ海の共同探査事業に、実質的な進展はほぼ見られない。崔新生氏によると、資金、技術の面で優勢で、かつ南シナ海の係争地帯で石油掘削を続けている外資系企業のほうが、中国市場での全面的な展開を行ないやすいはずである。
例えば、英BP社のウェブサイトには「1973年から中国での事業展開を行なっている」と紹介されている。現在、BP社の中国における投資総額は48億米ドルにおよんでおり、外資系企業の中ではトップクラスの額となっている。また、2008年にベトナムとの資源共同探査の合意に至り、領有権をめぐって中国とベトナムが争っている海域での石油資源探査事情を行なおうとしているエクソンモービル社も同様に、中国市場での全面的な産業展開を行なっている。