今度のハルビン―大連高速鉄道は、ある意味では、中国にとって初めての体験となるビッグプロジェクトではないかと思う。というのは、この鉄道の沿線は寒冷地帯で、冬には氷点下40度にもなる区間がある。これは鉄道のレール、路床、架線、車輪、動力機構にどういう影響が起こるのか、おそらくこれまでデータの蓄積はないはずである。いろいろなテストをつづけていることはメディアでも報道されているが、営業運転に入ってからのデータは皆無と言える。ハルビン、大連間を9時間で走っていたのが3時間になることは朗報にはちがいないが、やはりじっくりとテストしてデータを蓄積して万全を期すことが必要である。とくに降雪や積雪の時の車輪のすべり止めをどうするか、何百人の旅客の命にかかわることだから、アナウンスメント効果をねらうよりも、じっくりとデータの分析を行うことを忘れないようにしてもらいたい。中国の高速鉄道技術に注目し、工事を発注する国も現れている昨今のこと、もう大事故の発生はどんなことがあっても避けなければならない。
氷点下40度での高速鉄道のモデルケースをつくり上げる意味でも、努力してもらいたい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月2日