アメリカのオンライン新聞「クリスチャン・サイエンス・モニター」はこの頃、「中国ブランドの国際化も間近」と題する記事を掲載した。アメリカでは、中国から製造業の雇用を取り戻せといった議論が政治家の間で交わされている。一方中国人は、アメリカ人ほど雇用の保護に熱心だろうか。いやむしろ、グローバルなブランド構築に注目、模索している。
中国の片田舎で、現地の人とおしゃべりをした。驚いたことに彼らは、価格が1台600ドル以上のiPhone 4Sのうち、中国の工場で働く人に渡るのはたったの8ドルであることを知っていた。中国市民はこれを不公平だと感じており、工場で働く同胞にもっと高い給料を与えるべきだと考えている。給与報酬の上昇圧力は製造業に限った話ではない。私の友人の話では、この数年、中国雇用ソフトウエア開発エンジニアのコストが大幅に上昇しており、中国で新しい研究開発センターの設立は考えていないと言う。
これはコストにまつわる問題だ。最終的には自分より安く仕事をしてくれる人が現れることを、中国人は知っている。彼らは、持続的で安定的な成長を実現するために、中国が「世界ブランド保有者」にならなければならないと考えている。これこそが高利潤の源であり、真の経済力を示すものだからである。