私は中国に赴き、スイスの製茶会社を支援し、スイスを代表する茶ブランドを作り上げたことがある。この時、中国ブランドには世界的な魅力に欠けているのを実感したものだ。皮肉なことに、茶葉は中国の飲料文化を代表するものだ。しかしどの中国茶葉会社も欧米では名声が鳴り響いていない。先進国はブランド構築や、商品の信頼の構築をするのに長けていることを中国はいま感じ取っており、自分たちには学び、改善する余地が多いことを知っている。
現在83%の外国人が中国ブランドを一つも知らない状態だが、中国の会社は自国においてブランドの影響力を高めつつある。ブランドの世界的知名度も拡大しつつある。外国市場に打って出るため、中国人は現在外国ブランドを買収しているが、その効果は吉と出ることもあれば凶と出ることもある。しかし、買収する度に中国の会社はケーススタディを蓄積している。ブランド構築と管理の経験を獲得しているのだ。
まもなく中国ブランドが席巻する日がやって来る。欧米、特にアメリカはどう対処するべきだろうか。アメリカ製造業の雇用機会を確保することは確かに重要である。しかしそれより大事なのは持続的なイノベーションである。これがあってこそ、強力なブランドを構築し、維持することができるのだ。我々がそれをやらならければ、中国人がやることになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年4月30日