中日貿易の拡大を促す
業界関係者は、元と円の直接交換が実現すれば、両国の銀行は市場の需給状況に基づいて毎日の基準値を決め、一定の変動幅を設定し、それを基に企業に取引サービスを提供するようになると見ている。これは人民元国際化の一環で、貿易企業の両替コストの削減だけでなく、人民元の国際地位の向上にもつながる。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長は、「中日間でよく行われているのは実体経済における貿易や投資で、円と元の直接取引は実体経済の潤滑剤の役目を果たす」と話した。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、日本は中国の大きな貿易相手国であり、この2つの通貨の直接取引は両国の貿易を促進すると見ている。
人民元国際化は慎重に進めるべき
業界関係者によると、人民元国際化も多くのリスクと試練に直面する。まず、元が国際市場で勢いをつければドルから圧力を受け、急速な切り上げを迫られる。また、円の影響力に頼って元の役割を高めることができるが、自己中心的な戦略がなければ単なる飾りになる恐れもある。そのため、人民元国際化は慎重に進める必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月29日