日本国債は今のところリスクコントロールが可能である。市場の短期的な変動については、長期的な利益を鑑みた上で、許容すべきものである。この数年、日本の貯蓄率がプラスからマイナスに転じており、マチュリティギャップの拡大は続いている。日本政府の債務を日本国民の貯蓄が支えるといった方式が今後は通用しなくなっている。
世界的な格付け会社フィッチ・レーティングスは先だって、日本国債の格付けをA+に下げている。同社による日本国債格下げは、2002年11月以来初のこと。現在、欧州で再燃している債務危機が日本に波及するリスクはないのか?市場の注目度が高くなっている。
「債務大国」と呼ばれる日本。この20年、日本は公的債務により経済成長を維持してきた。その国債発行総額は平均40兆円(約5千億ドル)/年のスピードで急増している。直近の統計データによると、2011年度末(2012月3月31日)時点の、国債や借入金などの「国の借金」(地方自治体の債務を含まず)は959兆9,503億円と過去最高に達している。日本国民一人当たり約752万円(約9万4千ドル)の借金を抱えている計算になる。日本政府の債務残高のGDP比は、2012年末までに、バブル崩壊前の50%から239%へと増加する、と予測されている。また2016年には、277%まで上がると予測されている。