中日両国は6月1日より円と人民元の直接取引を開始する。これにより、日本円は米ドルに続き、人民元と直接取引を行う新たな国際通貨となる。華中科技大学経済学院の徐長生院長はこれについて、「人民元が世界3大通貨(ユーロ、日本円、米ドル)の1つである日本円と直接取引を開始するということは、人民元の国際化がまた重要な一歩を踏み出したことを意味する。これは、米ドルの独占的地位を揺るがすだけでなく、アジア経済の一体化を推進する役割も果たすだろう」と分析する。広州日報が報じた。
▽主に企業が対象、個人への影響は小さい
報道によると、直接取引は東京と上海の外国為替市場で行われ、日本側は三菱UFJ銀行など3メガバンク、中国側は中国銀行、HSBCが取引を実施する。
中日両国はこれまで、米ドルを介して円と元の為替相場をそれぞれ算出し、貿易・金融取引を行ってきた。直接取引が実現すれば、中日両国の銀行が市場動向に基づいて毎朝「基準値」を制定し、一定の変動幅を設定することになる。ただし、アナリストによると、直接取引は主に企業向けで、個人の旅行や留学に大きな影響はないという。