人民元と日本円との直接交換が1日にスタートする。個人の顧客にとってもさまざまなメリットがあり、円への両替コストが下がるだけでなく、日本でのクレジットカード利用がさらに「お得」にもなる。銀行業界では、銀行間外国為替市場で元・円の直接交換が行われることによって経済主体の外貨両替コストが下がるため、商業銀行は日本関連の金融業務を積極的に展開するようになる、とりわけ個人顧客に向けたリテール業務に「精を出す」ようになるとの見方が一般的だ。「上海青年報」が伝えた。
▽円両替コストが低下
中国外国為替取引センターの関連部門の責任者によると、2011年には銀行間外為市場の元・円取引額は292億8千万元に上ったが、これまでずっと銀行間外為市場では元・円両替レートはそれぞれの対ドルレートをかけ算する「クロスレート」方式で決定されてきた。このため元・円取引は売値と買値の差額(スプレッド)が大きく、取引量が相対的に少ないだけでなく、市場の流動性も不十分だった。
同責任者によると、元・円の交換方法を改善し、元の円に対する直接交換を実現することは、銀行間の元・円市場の活性化や元・円の直接取引のレート形成、経済主体の両替コストの引き下げ、元・円の二国間貿易・投資における利用の促進にプラスになるという。
ある大手国有銀行の外貨取引担当者によると、これからは個人が日本円に両替するときの取引コストも下がる見込みだ。1日以降は銀行が国内の外為市場で円に両替するときのレートを米ドルレートを介したクロスレート方式で計算する必要がなくなるため、金融機関の円両替コストが下がると同時に、個人顧客向けの元・円取引でのスプレッドが縮小し、個人の円両替コストも下がる見込みだという。