石炭価格急落の要因が、短期間内に解消されることはない。「黄金の十年」と称された石炭市場の発展は終了したのだろうか。この問題を論じる上で、構造調整の進展と推進が重要となってくる。
過去10年間は中国石炭市場の高度成長期で、石炭関連会社が相次いで設立されたが、その背景には石炭の市場化改革、不動産バブルの広がりという政策的な要因があった。石炭業界はそれまで薄利業界とされており、90年代に石炭株が取引されることは少なかった。
しかし過去10年間で、石炭市場の開放が推進され、石炭株がエネルギー関連株の中で特に注目を浴びるようになった。10年間の発展と今日の急落の間には、投資の疲弊という原因が存在する。統計局が公表した投資データによると、不動産投資の増加率が昨年8月より30%をキープしていたが、今年5月には20%を割った。増加率の鈍化が長期化しており、かつ下げ幅が拡大している。これらの連鎖反応を受け、石炭の需要に深刻な影響が生じている。