中国海関(税関)総署が10日発表したデータによると、中国上半期の貿易額は前年同期比8%増の1兆8400万ドル、貿易黒字は同56.4%増の689億2000万ドルとなった。6月の貿易額は前年同期比9%増の3286億9000万ドル、貿易黒字は同42.9%増の317億3000万ドルだった。税関総署の鄭躍声報道官は、「ドイツへの輸出額は4カ月連続減小しており、フランスへは3カ月連続減、イタリアへの輸出額は10カ月連続減となっている。EUはこれまで中国最大の輸出市場であったが、今年上半期に米国に抜かれた」と語った。11日付中国証券報が伝えた。
◆輸出取引信用保険の強化が必要
業界関係者は、「政策性金融機関の役割を十分に発揮し、輸出取引信用保険のカバー範囲を拡大し、保険料率を引き下げ、規模を拡大すべきだ」と提案している。
専門家は、「大型プラント製造企業は、電力、電気通信、冶金、石油化学、レール交通等の分野をカバーしており、中国の外国貿易構造調整の主要対象ともなっている。これら分野の企業は多くの受注を確保している。中国の輸出取引信用保険会社は、輸出関連の信用保証を拡大し、企業による発展途上国市場の開拓、輸出市場構造の合理化を図ることに支援を提供すべきだ」と指摘した。
中国商務部研究院の馬宇氏は、「輸出入関税等の問題が複雑であり、現時点では調整が困難だ。仮に調整したとしても、その調整幅と範囲も限られている。そのため輸出取引信用保険が、輸出政策を支える主要内容となる」と分析している。
民生証券の張磊・マクロ経済アナリストは、「輸出取引信用保険は、世界的な慣例となっており、各国が本国製品の輸出を支援する基本的な措置だ。輸出取引信用保険に対する政策支援の強化を通じ、企業の輸出拡大を促し、中国製品への相殺関税に関する訴訟の減少、貿易摩擦の緩和にもつながる」としている。